着物を着るという文化

茶、花、書、能、狂言、落語、雅楽、武道……どれもが美しい日本の文化。でも、それらは全て表現のカタチです。本当の文化はその奥に潜むものの中にあります。それは日本語をきちんと話し、着物を着る、そしてそのように暮らすということで感じられる何かではないだろうかと、最近よく思います。ある文化の傍観者であることと体現者であることは、部外者と当事者の違い、似非と本物の違いです。

最近、外国の方が日本の文化の体現者たらんと切磋琢磨しておられるのをよく見かけます。果たして我々は傍観者になってはいないだろうか?生活の中に、眼には見えないけれど受け継がれてきた確かな自前の文化が息づいているだろうか。自戒を込めてそんなことを考える今日この頃です。